母の遺品から大量の写真が出てきました
同居の母が亡くなった時の話です。母は重症心不全で評判の良い心臓外科に長い間通っていましたが、結構な綺麗好きで、しかもミニマリストでした。普段ローテーションで着ている洋服以外はほとんど何も荷物がないような人でした。亡くなった時には、母の部屋には小さな衣装ダンスが1つあるだけで、他にはこたつのテーブルと布団だけでした。
遺品整理といってもタンスの中を整理するだけだと思ってタンスを開けました。そこには洋服が10枚ほどハンガーにかけられており、下の2段の引き出しの1段目には下着類や靴下が綺麗に並べて入れられていました。一番下の引き出しを開けると、同じようなサイズのお菓子の缶が5つ入っていました。不要なものを持たな買った母が何をしまっていたのだろうと缶を開けると、そこには大量の白黒の写真が入っていました。
写真は、どれも私とその兄妹が写っていました。私は一度も見たことのない写真ばかりでした。しかも写真1枚1枚の裏面に、撮影した日時と場所、撮影者、そしてその時の思い出が几帳面な字でびっしりと書き込まれていました。さらに、全ての写真が1枚ずつ透明のセロハンの袋に丁寧に入れられていたのです。数枚を手にとって写真を見て裏面を読むと、自然とボロボロと涙が溢れてきました。
私たち兄妹が生まれてから学校を卒業する頃までの成長記録が年代別に綺麗にまとめらていて、改めて母の愛情を痛いほど感じました。今では私の一番の宝物になっています。
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