捨てりゃゴミ、一手間かければ宝の山

祖父の残した絵

tokyo17 遺品整理

四年前に祖父が亡くなりました。

私の祖父はずっと漁師をしており、一緒に住んではいたんですがあまり顔を合わせる機会がありませんでした。
私は高校を卒業したあと、仕事で県外に出て7年ほど経つのですが、母から「おじいちゃんが脳梗塞で倒れた」との連絡がありました 。
急いで仕事を切り上げて実家に帰ったのですが、その時にはすでに意識がない状態でそのまま息を引き取ってしまいました。
あまりに急なことで悲しいって気持ちを感じる前にお通夜、お葬式が終わってしまい、なんだか現実感のないまま家に帰りました。

翌週に、遺品整理をするということで、祖父の部屋に入って驚きました。部屋の中にはいくつもの海を描いた絵が飾られていたんです。
母が言うには、「おじいちゃんはお昼ごろに漁から帰ってきたら、いっつも絵を描いてたんよ」とのことで、今までの漁師をしている祖父のイメージとはかけ離れていました。

「このまま処分するのはもったいない」という話になって、一部を近くの公民館に寄付をし、今でも飾っていただいています。
あの絵を見るたびに、祖父の見ていた海を感じられるような気がします。